性格の不一致

話がかみ合わない
最近、「パートナーと話してもかみ合わないな」「どうして分かってくれないんだろう」と感じることはありませんか?
どんなに仲の良い夫婦でも、長く一緒にいるうちにパートナーのイヤな部分が見えてきたり、「もしかして性格が合わないのかな」と思う瞬間は出てきます。それは自然なことです。
パートナーのちょっとした言葉に傷ついたり、「分かってもらえない」と寂しくなることもあるでしょう。
また、「自分の考えを押しつけられている」と感じると、どうしても心を閉ざしてしまいますよね。結果として会話が減り、ささいなことでぶつかることが増えてしまう。そんな悪循環に入ってしまうこともあります。
しかし、「性格の違い」は決して悪いことではありません。
違う考え方を持っているからこそ、夫婦の関係には深みや広がりが生まれるのです。大切なのは、パートナーの考えや気持ちを「どう受け止めるか」。性格の不一致は価値観の問題というより、「どう向き合うか」というコミュニケーションのあり方に関わっています。
エンパシーとシンパシー
「エンパシー」(empathy)という言葉をご存じですか?
これは「相手の立場に立って、その人の気持ちを自分のことのように理解し反応する力」のことです。
たとえば、パートナーが仕事で疲れて帰ってきて、なんとなく無口なとき。
そういう時に「冷たい」とか「怒ってるの?」と決めつけてしまう前に、「今日、何かあったのかな」「大丈夫かな」と想像してみる。そして、「今日は疲れた?」とやさしく声をかけてみる。これがエンパシーの関わり方です。
一方で、「シンパシー」(sympathy)は「同情」や「共感」のことです。
「今日も大変だったね」とねぎらうことはシンパシーの反応。しかし、パートナーの心の奥に本当に寄り添うためには、そこに「エンパシー」を組み合わせることが必要です。
もしかしたら、パートナーは「今は話したくない」「そっとしておいてほしい」と思っているかもしれません。そうした可能性まで想像して、あえて何も言わない優しさを選ぶ。これも立派なエンパシーです。
エンパシーとシンパシーはどちらも大切です。どちらにしても「相手の心の状態を想像できる力」があると、関係はもっと穏やかで安心したものに変わっていきます。
パートナーは敵?
最近は「がまんしないで生きよう」「自分らしさを大切にしよう」という考え方が広く受け入れられています。それはとても大切な価値観です。
しかし、ときにその思いが「パートナーを否定する理由」に変わってしまうこともあります。
本当の問題は「お互いの違いをどう扱っているか」という点です。パートナーと向き合う力や対話する時間を失ったまま、「どうせ分かり合えない」と感じて心を閉ざしてしまう状態が長く続くと、「もういいよ」と諦めの気持ちが心を支配してしまいます。
もし今「性格が合わないのかも」と思うなら、まずは「自分がパートナーの立場だったら、どう感じるかな」と考えてみてください。
自分を犠牲にするのではなく、お互いに違いを認め合いながら、自分らしさも大切にする。そのバランスを探っていくことこそ、夫婦のすれ違いを乗り越える第一歩です。
どんなにぶつかっても、あなたとパートナーはもともと「味方」同士。その原点を思い出しながら、少しずつ歩み寄るきっかけにしてみてくださいね。
この記事を書いた人

矢部 和也
cochi 事務局
日本キャリア・マネージメント・カウンセラー協会会員
アメリカカウンセリング協会会員
産業能率大学で心理学を学んでいる社会人学生です。夫婦の関係性について社会正義の視点で研究しています。テーマは「個人心理と社会構造から見る現代夫婦のあり方について」。夫婦の幸せを“心の問題”と“社会の仕組み”の両面から捉え、新しい夫婦の形を提案しています。



